1 離婚、男女問題は人生の深層を扱うことです。
夫婦関係、男女関係は千差万別で、それぞれの育った環境、性格、互いの歴史(経緯)、職業、子どもの有無・生育状況、双方の感情の変化に応じて、一様ではありません。 |
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このように、離婚や男女問題は、それぞれの方の人生の機微が反映されていますので、私たち法律家の立場でも難しい局面が沢山あります。
そのような一様ではない男女関係ですが、法律は離婚や不法行為(慰謝料)等、いくつかの場面で、当事者間の権利義務を規定しています。離婚については、男女問題であると同時に夫婦という家族の問題でもあるので、調停制度が用意されています。
私たちは積み重ねられてきた裁判例や経験に基づき、それぞれの立場にある相談者の権利義務を判断し、適切なアドバイスをします。
男女問題でも、例えば不倫の慰謝料を請求したい側、慰謝料請求をされた側のいずれの対応も行っています。
2 離婚は人生再スタートのための制度
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離婚は、これまでの婚姻生活の清算という面がある一方、新たな人生を再スタートするための制度でもあります。離婚成立後の当事者には、輝かしい未来を切り開くチャンスが平等に与えられています。 |
そのためには、相手方を悪しざまに非難中傷したり、復讐心からの応酬を繰り返すのは、離婚後の人生に禍根を残すことになりかねません。当事務所の離婚問題に対するスタンスは、請求側、請求される側のいずれに立つとしても、依頼者の正当な利益を守ることに尽きます。正当な利益の中には、これまでの生活をリセットし、新たな人生を再スタートさせることも含まれます。
3 不倫(不貞行為)の実情
当事務所には、夫あるいは妻と不倫した相手に対し慰謝料請求をしたいという請求する側だけでなく、不倫がばれて不倫相手の配偶者から慰謝料請求をされたという請求を受けた側の相談が増えてきました。 |
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請求者が自分の配偶者の携帯電話を盗み見て不倫が発覚したケースが多いのですが、中には、配偶者の車両や持ち物に密かにGPS装置を付けて、探偵顔負けの調査を行っている例もあります。
不貞行為は、夫婦破綻の最たるものとして、離婚理由の第一番目に挙げられています。民法制定当時、不貞行為をするという場面はそれほど多くはなかったと思われます。
ところが、現代は男女とも結婚前に配偶者以外と性的経験を持つのが通常であることや、既婚者を含む女性の社会進出(就職)が著しく、女性が配偶者以外の異性と接する機会が格段に増えました。家の茶の間に一台しかなかった電話は、今では携帯電話として一人ひとりが持てる時代になり、家族や他人の目を気にすることなく電話やSNSでの通信が可能になりました。
そのことで密会(死語でしょうか)が容易くできるようになりました。不倫が増加したということであれば、原因は不倫できる容易な条件が整い、いわゆる貞操観念という束縛が緩くなったことが挙げられましょう。配偶者がいるもの同士の不倫(ダブル不倫)が増えました。
4 夫婦関係破綻
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家庭内別居という言葉がよく使われます。夫婦で同じ家に居ながらも、別々の部屋で寝ているというものから、家庭内でも会話をしない、食事も別々に取るという、本当に他人同士で暮らしている状況を指しています。 |
家庭内でもテレビやパソコン、タブレットなど個人用途での使用が増え、夫婦、家族がそろって団らんするという機会が減少し、配偶者間、家族間の愛情や絆が希薄になってきているうような気がします。
別居は、夫婦関係が破綻している象徴的な状況ですが、家庭内別居の状態も夫婦関係が破綻していると言えなくはありません。民法では不貞行為などを列挙しつつ、破綻主義を取っていますので、離婚を裁判所に認めさせるためには、結局、夫婦関係が破綻していることを立証することに尽きることになります。